生き方のヒント

瞑想とは

私たちが幸福に生きていくためには、肉体、知性、精神の三つを満たさなければなりません。肉体面における満足は健康と生命を維持するために要する十分な収入が必要です。知性面は収入を得るための教育、技術、そして余暇を楽しむ時間が必要です。しかし最後の精神面は、ほとんどの人が欠乏しています。私たちは肉体的、知性的な面を満足できても、ほとんどの人は心のどこかに虚しさを感じています。人生とはもっと何か大事なことがあるのではないか、と望みます。世の中のいろいろな物質を手に入れても、その渇望感は決して満たされません。そこで、渇望感を満たすために、酒を飲んだり、時にはドラッグ(薬物)に走ったりすることがあります。しかし酒やドラッグは一時的に虚しさを抑制するかもしれませんが、決して満たすことはできません。

瞑想

精神的渇望感を満たすことで、永遠の幸福を手に入れられます。永遠の幸福は、限界のある物質的なもので満足させることは絶対に不可能です。限りあるものが、無限なる喜びの源となりうることはありません。精神的渇望感は「無限の存在」(宇宙意識、神etc)なるものに集中することのみで得られます。無限の存在と一体感を得るには「意識」のレベルを高めるしかありません。その「意識」のレベルを高める方法が瞑想です。つまり無限の存在との一体感を得るのが瞑想です。瞑想は心を開発してくれます。体の運動が強い肉体を鍛え上げ、私たちを元気にしてくれるのと同様に、瞑想は疲れた心をリフレッシュしてくれます。瞑想は心の強さとバランスを育み、私たちが世の中で、より機能的に生活し、活動できるようにしてくれます。私たは体は鍛えますが、心を鍛えていません。体も心も鍛えないとバランスが崩れます。また瞑想は大事な「考える」という能力を高めていきます。意志力と集中力も増します。一日の仕事をより多くのエネルギーとバイタリティーで能率よくこなせるようになります。

 

ひとつの瞑想の方法

自分は20年以上瞑想を経験してきましたが、世の中にはいろいろな瞑想方法があり、どれが正しく、どれが正しくないとは言えないと思っています。自分に縁があり、今、自分に合っている瞑想方法をご紹介しますので参考にしてください。この瞑想しかないというつもりはありません。

瞑想

まずお腹がなるべく空のときに瞑想しましょう。邪魔が入らない、匂いや騒音のない場所での瞑想が理想です。足を組み、背筋をまっすぐに伸ばして、目を閉じ、両手を重ねて足の上に置きます。舌は軽く丸めて、舌の裏が口の中の天井につくようにします。意識は眉間のあたりに集中してください。そして体をリラックスしてください。日々の心配を忘れてください。できればすべてを忘れてください。瞑想の際にいろいろな想念がでてきても、それが普通なので大丈夫です。そして、いろいろな想念を静め、意識を集中させるのに心の中でマントラを唱えます。 マントラとはサンスクリット語の特別な単語の集まりで〈無限〉 に関連します。“マン”は〈心〉、“トラ”は〈解放〉を意味します。マントラは心を開放するために意識を集中させる想念なのです。マントラは内面の奥深くへと誘うために瞑想の師匠たちが注意深く選びぬいた音の組合せです。マントラは、その意味を心にとどめながら繰り返して唱えていきますが、同時にマントラの意味に関連した像(イメージ)を心に描いてください。

お薦めのマントラ
「ババ ナム ケワラム」
マントラの意味
「無限の愛は、いたるところにある存在となって現れている」
または
「無限の意識はありとあらゆるところに存在する」
このマントラを繰り返します。マントラの一つひとつの音節が自然に呼吸と合ってきます。そして、無尽蔵の愛の海に自分が囲まれている、というイメージを描いてみましょう。瞑想は一日に2回ほど行うのが理想です(例えば朝と夜)。この瞑想はシュリ・シュリ・アナンダムルティ氏の提案されるものです。

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